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3月7日(土)~8日(日) 底を打ったほうが戻りがいいか? [日記]

■木曜、金曜と全然作業が進んでいないのだから、土日も大学に行って遅れを取り戻さねばと金曜の夜には思っていたのに、いざ土曜の朝に目覚めていると全然やる気が起こらない。ここは逆に、ほどけた集中力を一度ほどききった方が次の集中力を構築しやすいんじゃないかと思い、(というか、これも逃げの言い訳だなと内心気づきつつ)土日は家で、論文をガーッとできた日の後にと思っていたDVDやら小説やらに手をつけようということにする。正確に言うと、土曜は、日曜には大学に行こうと思っていて、日曜には、もう月曜でいいやと思ったのだった。後ろめたさを感じてダラダラするよりも思いっきりダラダラした方が、次の日からすっきりと論文に戻れると考えて、それがきちんとできたらきっとその通りなのだろうけど、実際には、家でダラダラすると決めた日でもどこかなし崩し的にダラダラを長引かせてしまっていて、同様に後ろめたさも長引いている。これは性格だから、どうしようもない?

レンタルしていたDVD『バベル』を見る。話題になっていたというのと、この人の出演作にはずれがないガエル・ガルシア・ベルナルが出ているということと、国を越えて連鎖する出来事を描いた群像劇っていうのに興味があったので、ずっと見たいと思いながら延び延びになっていた映画

時間が前後しながらモロッコアメリカ/メキシコ、日本での出来事が描かれていて、最終的には遠く離れた国で起こっていることが互いにつながっていく。タイトルの「バベル」は、人間の傲慢さを見かねた神が言語をバラバラにして人々の間で意思の疎通を出来なくさせる聖書の『バベルの塔』の物語のことだけど、良かれと思ったこと、決して悪気はない行為が国を越えて人々の歯車を狂わせてゆくというのは、まさに『バベルの塔』以後の世界がどうしようもなく抱えているもどかしさだと思う。ラストの近くでの「私は悪い人ではない、ただ愚かなだけ」というセリフが象徴的。

■図書館でついでに借りてきた池澤夏樹『やがてヒトに与えられた時が満ちて・・・』。

やがてヒトに与えられた時が満ちて… (角川文庫)

やがてヒトに与えられた時が満ちて… (角川文庫)

  • 作者: 池澤 夏樹
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫
出生率が低下する中、生殖能力の高い30万人が移住した人工衛星都市。地球との交信を絶って200年が経ち、CPUコンピューターが全てを管理する都市で人々は不自由なく暮らしている。
こういう設定が用意されると、大体はコンピューターの暴走とか、外部(忘れ去られた地球人とか宇宙人とか)からの攻撃とかいう話になりそうなのだが、池澤夏樹は彼らしく、安定した暮らしの中で人工衛星都市の人々の中では既に失われてしまった地球に対する思索の話に展開していく。池澤夏樹の小説はどれも、テンションの低く保ったままで深く考えていくところが心地いい。

■これも同じく、図書館でついでに借りた星野智幸『水族』。

水族 (Coffee Books)

水族 (Coffee Books)

  • 作者: 星野 智幸
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本
この人の作品は、メキシコ留学経験があるのもあって、どこかラテンアメリカのマジックリアリズム的なテイストがある。今回も、水没する都市というSF的な題材を、幻想的というか、妄想的というか、上手く表現できない非現実感で表現している。いや、というより、SF的になると描こうとしている世界の環境とか仕組みを細かく描こうとするのだろうけど、星野智幸の場合はそうではなくて、いつもその世界で生まれる格差とか差別とか、そこから感じさせられるコンプレックスや怒りみたいなものを描くことに比重があるところが彼らしいのだろう。そこが、自分の中にある卑屈な自分に響くのだと思う。表紙や挿絵とのマッチングもいい。

■日曜の夜、NHK新・日曜美術館『誰もいない部屋こそ美しい~北欧の画家・ハンマースホイ』を見る。去年の11月のプログラムの再放送。静寂を感じる絵が好みの自分としてはツボにはまりまくりの画家。今回初めて彼のことを知ったのだけど、12月まで国立西洋美術館で彼の展覧会をやっていたらしい。かなり惜しいことをした・・・去年やったということは、しばらく東京で彼の作品をまとまって見られる機会はないということ。うー。

Hammershoi

Hammershoi

  • 作者: Felix Kramer
  • 出版社/メーカー: Royal Academy of Arts
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: ハードカバー
後姿の女性、誰もいない部屋・・・。彼の描くモチーフは、絵の側から見るものへメッセージ(物語)を発信するのをあえて拒否する、という解説がなされている。でも一方で、彼の絵を見た人が「ハンマースホイの絵は見るときの自分によって見え方が違ってくる」と言っているように、見る側はそれでも何かを読み取っている。メッセージ(物語)を拒否するということが、他の画家の絵との比較の中で、強烈なメッセージ(物語)になってる、というか、番組のタイトルにもなっている“誰もいない部屋こそ美しい”という引き算のメッセージが絵を描くという足し算の作業で表現する、というのがハンマースホイだということだろう。確かにそれは、日本人好みなストイックな世界観、そして、僕の好きな世界だ。

■・・・物語を伝えることで、場所に関わることの満足や愛着を感じてもらう方法を研究しているのに、ハンマースホイのような抑制されたメッセージ(物語)が自分の中で“よい物語”だと思っているというのは、自分で自分の研究のハードルを上げる結果になっている。物語をただただ饒舌に語ればいいというのであれば、とにかく色々なことをどんどん語ることを考えればいいわけだけど、少ない語りで豊かに伝えるなら、そこからまた一段高度な仕組みを考えていかなければならない。逆に言えば、今あるのはやみくもに饒舌な語りばかりで、それに対して、ただ接触する情報が多けりゃいいてもんでもないだろう、というのが僕の研究の出発点なのだった。ならば、ハードルの高さは甘受するしかない。さて、このハードル、僕に越えられるのだろうか。
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3月6日(金) 雨の日は花粉の晴れ間 [日記]

■今日の天気は一日雨。天気は雨だが、この時期の雨は花粉の心配をしなくていい、鼻の晴れ間。昨日、大田区の図書館で手に入らなかった文献を、目黒区の図書館に借りに行く。これは昨日と同様、弱気な自分を誤魔化すための本なのだから、昨日の作業の遅れを取り戻すべく、そんなの借りずに大学に直接行って論文を書くべきなのだけど・・・、だけど、行ってしまうんだなぁこれが。はぁ、ダメな自分。

■研究室に行くと、就職活動中の後輩に大手電機メーカーのOBが話をしにくるという。別にヘッドホーンをして尾音楽でも聴いていればそれは気にならないのだけど、なんか大学の外の世界の話も知っておいた方がいいのかなと思って、作業しているふりをしながら聞き耳を立ててみたりした。つまり、逃げだな。話といっても会社の紹介程度だから、そんなことで社会の何かがわかるわけでもなくて、なんというか、社会から離れてしまっていることの罪悪感を、少しでも情報を得ようとしているというポーズだけを作って(と言っても盗み聞き)穴埋めしようというような弱腰の気持ち。

■論文に多少の目処が立ったことで(というより立ちそうという程度)危機感が引いてしまい、そんなこんなで、全然身が入らない。本当は、予定よりもずいぶん遅れているし危機感バリバリでなければいけないはずなのだが、もともとが、ギリギリまで時間が切羽詰らないと重い腰を上げないタイプ。学会のオフィシャルな締め切りがあるわけではなく、自分の都合でこの時期までにやろうというような曖昧なデッドラインでは、全然デッドになってない。いかん、いかん、いかん。
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3月5日(木) 対策の効果は・・・ [日記]

花粉症シーズンには毎日チェックしているYahoo!花粉情報によると、今日は花粉が「多い」らしい。すなわち天気はGood、鼻にはBad。ゆえに、昨日買った『眼鏡がくもりにくいマスク』を試すにはもってこいの日。でも、このマスクが効かなかったら・・・という一抹の不安も抱えつつ、図書館に向かう。そろそろ書き始められそうな論文に引用する文献の中に引用されている文献を借りに。いざ活字にしようとすると、ほんとにその人の引用してることって、元の文献をちゃんと理解してるの?とか、元の文献を参照するともっと得られることがあるんじゃないの?とかいう疑いの目(芽)が出てきて、それっていうのは自分の論に対する自信のなさを、他の人の言葉で補ってもらえるといいなーという弱気な気持ちなのだが、その文献を押さえておいて論が進むなら当たっておいて損はない・・・ようするに、自分への言い訳です。はい。

■花粉対策は功を奏したもよう。鼻も快調、眼鏡も快調。自宅から大学と反対方向の図書館を2つ回って、自宅前を通り大学へ。正味1時間くらいの行程が心地よいサイクリングになった。この勢いで論文も・・・。

■ふと思い出して、去年のいつだったかにラジオで聞いていい歌だと思い、カレンダーに曲名をメモしておいたオトナモード『グリーン』をYoutubeで探して聴いてみる。やっぱいい歌だー。オトナモードのほかの曲も聴いてみると、これもまたいい感じ。ボーカルの声がいいんだよね。ちょっと財津和夫に似てる瞬間があると思うのは僕だけだろうか。違いは、財津和夫のチューリップは「ほのぼの」、オトナモードは「さわやか」というところか。



■ヘビーローテーションでオトナモードを聴いているうちに、一日が終わる。論文関連の進捗は、借りてきた本をちょっと読んだだけ・・・論文対策は不調。
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3月4日(水) 対策、対策 [日記]

■ちょっと集中力がほどけてきた生活を見直すために、対策を講じてみた。

■その1:「花粉に負けないっ!」を合言葉に、眼鏡のくもらないマスク、花粉対策スプレードラッグストアで購入して大学へ向かう。
今までのマスクは、しっかり鼻や口を覆うと鼻の横から上に息がもれて眼鏡が呼吸に合わせて曇ってしまうので、顎や頬のあたりにちょっと隙間ができるようにしていたのが問題だった。息がこもらない=花粉さんいらっしゃ~い、なのだ。今のマスクも鼻のところにワイヤーが入っていて本来鼻も覆えるはずのものだけど、今回は、しっかりとパッケージに『眼鏡がくもりにくい』と表記されているものを購入。よし。
そして、研究室に着いてから自分に降り積もった花粉が室内に舞って(文字変換したら「魔って」が先に出た。ある意味正しい変換!)それを吸い込んで花粉症が悪化している部分もありそうなので、ハウスダスト対策用のスプレー(ファブリーズみたいなの、下の商品リンク参照)も購入。これは、花粉をアレルギー症状を起さない大きさにまとめてくれるものらしい(イメージとしては、アレルギー発作を引き起こすポケットがあって、その穴に入らないくらい大きいものは、存在していてもポケットに入れないのでアレルギー発作のスイッチが入らない、という感じか)。よし、よし。


■その2:「怠け心に負けないっ!」を合言葉に、今日からとにかく論文を書くことにする。実家に帰ったときにたまたま読んだ茂木健一郎の本によると、「内容がまとまるのを待っていてはいつまでも書けない。とにかく書き出すと何とかなったりするもんだ(かなり個人的解釈が入ってるかも・・・)」だそうだ。
・・・といいつつも、加筆前の論文とにらめっこしながら、追加すること、書き換えることをメモにして整理する段階。夕方くらいに「いまある手持ちの材料で乗り切れるの?」と不安になるも、夕食後には「これで最後まで論が組み立てられそう」というところまで持ってきた。ふう。書くことはだいぶ決まって、全体の流れが見えてきた。

■『情熱大陸』を欠かさず見ているという後輩が現れたので、前回の上田泰己はかっこいいねーという話をしようと思ったら、「今、テレビ壊れて見れないんです」と言われてから回り。仕方ないので(と言うと大変失礼だけど)別な用事で来た友達のメールの返信に、上田泰己はかっこいいねーの話をむりやりねじ込む。ちょっとすっきり。
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3月3日(火) ちんたら火曜日 [日記]

■昨日は、ばっちり効くけどがっつり眠くなる鼻炎の薬を飲んで寝たのだけど、朝になってもまだ鼻の調子悪い。この薬を一回飲んで良くならないときは結構鼻炎がひどくなっているという事。朝にもう一度薬飲んで、どうせ眠くなるからと、先回りしてもう一度寝る。

■のそのそ起きて、自宅でたらたら作業。こうやって1日のリズムが作れないとどうにも気持ちを研究の方に持っていけない。そろそろ論文にまとめていく作業に入らねばならないのだけど、その手前でうだうだ。

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3月2日(月) 魔の月曜日 [日記]

■また花粉にやられた。
大学へ行くも、鼻かむ。鼻かむ。鼻かむ。

以下、先週月曜日に同じ。

いかん、花粉症との付き合い方をちゃんとしないと、無益な日が続いてダメになる。

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3月1日(日) ランナーたちの後方で、 [日記]

■今日も休日気分に足をひっぱられながらも、何とか午後には大学へ。ここ数日見てきた心理学や社会学での物語の扱いをざっとまとめて論文の中で紹介しないと、僕の論文内での議論のとっかかりがつくれないのだが、数冊の本の議論が頭の中で発散しているこの状態からまとめるのー(うぉー)、と弱気になる。が、そういえば・・・と思い直して昨日読んでいた『自己への物語的接近』の2章を見ると、「物語論の諸潮流」というタイトルでまとめたものがありました。やった。彼がまとめてくれている内容を核にして書き加えていけば大丈夫そう。よしよし。すこーしずつ、すこーしずつではあるが論文はまとまる方向に進んでいる。

■夜、久々に『情熱大陸』を見る。今日取材されているのは理化学研究所の上田泰己さん。体内時計の研究で海外からも注目を集めている。語り口が知的で澱みがなく、見た目も研究者にしてはとてもスマートで、自分がやっている研究に対するゆるぎない自負があって、かっこえーなー、と思う。そして彼は33歳、同い年・・・。複雑な心境。分野は全然違うけれども研究者という意味では自分と同じフィールドに立っていると言えるわけで、トップランナーはこんなに遠くを走っているのかというのを中継で見せられている、遥か後続の、しかも一般参加の無名ランナーというのが自分の今のところの位置。トップを走りたいわけではないし、競いたいわけでもないけど、気にならないといってしまえばそれは嘘。
でも逆に、活き活きと(10以上のプロジェクトを統括していてすごい忙しいのに)研究に取り組んだり、講演や学会に飛び回っている姿は、彼自身になりきってみるとすごくいい。『情熱大陸』という番組は、取材されている人に視聴者がなりきって見られるというか、その人の仕事や生活を垣間見ることを通してその人の元気をもらえるようなところもあるので、この“なりきり効果”の方を明日への糧にしなければ。
彼曰く「自分の研究しようとしていることに対する“根拠のない自信”が研究者にとっては大切」。うーん、自分にはこれがない。いや、心の中にはあると思う。だけど、他人に対してそれを主張する言葉を持てないのが課題、ということだろうか。

参考:
上田泰己「生命の全容に迫る優しきリーダー」(ダイヤモンド・オンライン)http://diamond.jp/series/amadeus/10007/
・・・研究者らしからぬさわやかさだ。
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